外国の木材を使用するにあたって
日本の住宅には日本の気候・風土の中で育った国産材を使うことが、最も望ましいのです。
しかし、部材によってはコストが高くなったり、満足な品質の国産材の確保が困難なものもあり、こうしたものについては外国の木材を使うことになります。
例えば、梁や筋違い、床根太、垂木など、曲げや引っ張りに対して強度が求められる箇所には、檜よりも米松を使用しています。こうした使い分けは、構造部材に対して求められる木材の特徴や性能を、コストと突き合わせながら、適切に判断する“適材適所”の考えによるものです。
海外の木材を使用する際に、コストのほかにも当社で留意していることがあります。それは使用する木材の“植生”(=生育している地域環境に起因する樹木の性質)が、日本と類似している地域の材料を選ぶことです。
例えば、米松は北海道とほぼ同緯度の、米国オレゴン州ポートランド産のものを使用しています。その理由はさらに高緯度のカナダ産のものに較べ、材質が堅く、耐久性があるからです。また、合板についても南洋のラワン材ではなく、米材の針葉樹合板や、国産の杉合板を採用しています。
近年、構造用集成材(エンジニアリングウッド)に使用されているホワイトウッドと呼ばれる北欧材は、極寒地域で育った樹木であり、日本では腐りやすいため、コストは抑えられますが住宅に使うべきではないと考えています。
掲載日 2007.11.20