Interview12
リフォームで生まれ変わった我が家は
上質な和の設えと使いやすい快適な間取りを実現した住まい。
静岡県御前崎市O様ご一家
01
高齢者に優しいリフォームの計画
ご自宅のリフォームをお考えになられたきっかけは何ですか?
ご主人様
現在、母親が一人暮らししている家ですが、高齢者にとっては何かと不便な造りでしたので安心して暮らせるようにしたいと思ったのがはじまりです。私たち夫婦も結婚してからしばらくは、この家の2階に住んでいたのですが、子供たちが大きくなり手狭になったため、10年程前に別棟の住宅をすぐ裏に建てたんです。それで便宜上この家を「母屋」と呼ぶことにしますが、私たち夫婦は共働きですので、別居したとはいえ子供たちの面倒を両親にみてもらったり、双方の家を行き来しながら一つの家族として共同生活をしてきました。私たちにとって愛着のある、思い出深い家でしたので、できることなら建て替えるのではなくリフォームしようと考えたんです。
奥様
以前の間取りは農家によく見られた土間が家の中を通路として水回りをつないでいる造りで、居室からトイレに行くにも履物を使って土間を通らなければなりませんでした。台所も土間に準じていたため居室より18センチ(6寸)も低い床になっていて、洗面脱衣室はさらに4センチ(1寸3分)低くなるといった具合で、家の中は段差だらけでした。北向きの台所と一体になっていたリビングは、その南側に居室があったため一日中暗く、昼間でも照明が欠かせません。住み慣れていても、正直使いづらいものでした。この10年の間に義父が亡くなり、義母が一人暮らすようになったので、安心して快適に住むことができるようにと、この母屋をリフォームすることにしたのです。
ご主人様
ところがいざリフォームを思い立っても、どこに頼んだらよいのか判らないんです。とりあえず最寄りの住宅展示場へ出掛けました。注文住宅を手掛けている地元の建築会社が、これからリフォーム事業にも本格的に取り組むと聞いていたので、その会社のモデルハウスへ行きました。確かにリフォームに関する展示物や資料もあり、相談相手としてふさわしいように思えました。しかし実際に打合せを進めてみると、担当者の技量に不安を感じるようになってきました。おそらくリフォーム営業のマニュアルに沿って打合せを進めているようでしたが、形式的なヒアリングがかえって私たちには要領を得ていないように感じました。
ここに至って、10年前に離れを新築した時のことを思い出し、その時にお世話になった菊池建設の担当者さんへ相談することにしました。これまでの経緯を話すと、菊池建設でも増改築やリフォームの対応をしているので是非提案させてほしいとの返事。こんなことなら初めから彼に相談すればよかったと思いました。
02
上質な和の設え提案に全幅の信頼
打合せはどのような様子でしたか?
ご主人様
10年前の新築の時に、担当者さんの知識とセンスの良さに感心し、すっかりお任せできる間柄になっていました。母親も顔馴染みになっていた人物が再び打ち合わせに来てくれるようになって気持ちが楽になったようでした。
既存住宅の改築工事となるため、建築確認の申請上、改築前の現状建物の図面も提出する必要があったのですが、建築時期が古かったこともあって手元に見当たりません。申請用に図面を作成して貰いましたが、こちらも安心してお任せすることができて本当に助かりました。現状調査の時に判明したのですがこの建物は鉄骨構造だったんです。そのことを指摘されるまですっかり忘れていました。
奥様
リフォームの基本プランは、全部で3案つくってもらいました。そのなかには土間を活かした提案もありましたが、床段差を解消した現在のプランを選びました。その後も設備機器や照明器具、塗り壁材料など常に3種類ずつ候補を提案して貰い選んでいきましたが、選択肢があるように見えて実はすべて本命が決めてあったようです。最終的には全部、お薦めの通りにまとまってしまいました。最初に提案された土間を活かしたプランも、いま思うと本命を選ばせるためのものだったように思えます。
出来上がったお住まいのご感想はいかがですか?
ご主人様
上質な和の設えに仕上げて貰い、大変満足しています。どのような資材を使いどう施工すればよいのか、私たち素人には分かりませんからすべて担当者さんにお任せでした。長年にわたって和風住宅を数多く手掛けてきた経験と知識が豊富でセンスもいい。和室ひとつとっても、天井に「代萩」という草庵風の材料を使ったり、壁に取り付ける照明器具も初めて見るデザインのものを採用したりと、感心することばかりでした。玄関の式台も「切り目縁」と呼ばれる床板の小口を見せる納め方に女竹を組み合わせる造りで、面白いですよね。
ダイニングルームも古民家を想わせる梁を入れたデザインで、鉄骨造の建物であることを忘れてしまいます。壁を漆喰塗仕上げにしてありますが、純白色ではなくほんの少し黄色くしてあるそうです。ほのかに温かみを感じる色というのでしょうか、そんなこだわりに一層信頼感が増してくる思いです。
奥様
北向きの台所をダイニングと併せて、明るい東南位置に移動しました。使われる機会の無かった南向きの個室を、ダイニングとつながった和室に改装してテレビを置きました。日中よく使われる台所・キッチン・和室を明るい東南から南面にかけて配置することで、快適に過ごすことができるようになりました。北向きの台所のあった場所は義母の寝室にしました。洗面脱衣室は廊下からと寝室から2か所出入り口を設け、床段差は無くなりましたから以前とは比べ物にならないくらい使いやすくなりました。浴室も最新のバリアフリー対応のものです。入浴から就寝まで、特に冬場は安心で快適なものになり、義母も喜んでいます。
見た目だけでなく、耐震性の確保や断熱性能の向上も図って貰いましたから安心して暮らせるようになりました。特に効果を感じるのは断熱性ですね。床下の断熱がしっかりできたことで冬場が本当に過ごしやすくなりました。日中は和室やダイニングに陽が明るく差し込み、以前とは比べ物にならないくらい暖かくて居心地良くなりましたね。
03
周囲からも注目される生まれ変わった我が家
外観のリフォームについてポイントを教えて下さい。
ご主人様
外観自体はそれほど変化していません。2階はそのまま残しましたし、屋根瓦も汚れを落としただけで既存のものをそのまま活かしています。正面の下屋根軒先が一文字瓦だったので、直線の美しさを活かすために雨樋を取り外し、軒下に玉砂利の「雨落ち」を設けるようにしたのも担当者さんの提案でした。室内に比べればさほど手を加えませんでしたが、下屋根下の犬走りを「洗い出し」に仕上げるなど要所を押さえた手直しで、懐かしさを感じる和の佇まいに仕上げてくれました。外壁は一部新しいサイディングに張り替えてから、全体を塗装しましたので生まれ変わったようになりました。少し鮮やかな色使いに、初めのうち母親は驚いていましたが、いまではすっかり馴染んでしまいました。
建物のリフォームに併せて、庭も造り替えました。こちらは造園業者さんから提案された完成イメージ図がとてもよくできていて、ここまで手を掛けるつもりがなかったのですが、ある意味「のせられて」しまいました。菊池建設さんの展示場をはじめ、施工建物に併せて数多くの庭を手掛けているだけあって、菊池建設の建物を引き立てる術を心得ているのでしょうか。実際に手掛けられた庭も案内して貰いましたが、建物と調和して素晴らしいものでした。
奥様
この家の裏に建てた私たち夫婦の住まいから見える場所は、当然ながら母屋の裏庭です。表通りから見えないこともあって、雑然と物が置かれた状態でした。今回の母屋のリフォームに併せて、裏庭も整理して貰うことにしました。井戸の周りに植栽を設けて、清涼感のあるすっきりとした造りにして貰い、私たち夫婦の住まいにも、やっと眺めて心安らぐ庭が出来上がりました。
母屋の1階間取りを変更した結果、勝手口が裏の家の玄関に近くなって双方の建物の行き来が一層楽になりました。いまも私たち夫婦は二人とも働いているので、平日は義母が作ってくれた料理を揃って母屋でとり、休日はかわりに私が作って裏の家で皆が食べるといった具合で楽しんでいます。
ご主人様
この家に集まって麻雀を楽しむ友人たちがいるのですが、リフォーム後にやって来たときには、料亭にでも来たような気分だと言っていました。庭を造り替えて表に駐車スペースを確保しましたが、昔から馴染みの人たちは遠慮して裏手の方に車を止めてしまいますね。勿体なくて駐車できないといって。それほど良い出来栄えだということです。
庭が出来上がって新しく植栽した「まんさく」が春一番に黄色い花を咲かせた時にはきれいでしたよ。居心地の良いこの家から四季折々の風情を感じられる庭を眺められる楽しみも増えて、本当に満足のいくリフォームに感謝しています。
スタッフ
建物の耐用年数が長くなり、安易な建て替えではなく、世代変化に合わせてより暮らしやすくなるようリフォームをすることが求められています。私共にとっても貴重な機会を与えて頂き、大変感謝しております。本日はありがとうございました。