Interview14
一期一会、運命の出会いからはじまった
つくり手の思いが込められら和の住まい。
千葉県八街市S様ご一家
01
一期一会、運命の出会いを感じた初回面談
ご自宅の建築をお考えになられたきっかけは何ですか?
ご主人様
いずれは自宅を新築したいと思いながら立ち寄ったのが幕張の住宅総合展示場でした。建てるのならば和風住宅と決めていました。そのなかで最初に見学したモデルハウスが菊池建設の建物だったんです。
菊池建設のほかにもいくつか見学しましたが、木の香が漂い、本物の日本の家を感じさせる建物は、後にもこの1軒だけでしたね。他社のモデルハウスは和のデザインであっても、建物の持つ香りは現代的な洋風住宅と変わらないように感じました。 例えて言えばプラスチックモデルのようにある程度つくられた部品を建築現場で嵌め込んでいくようなイメージが拭えず、原材料を現場で加工するような手仕事が少ないことが要因ではないでしょうか。
奥様
展示場で応対してくれた営業担当者の話し振りから、家造りに強いこだわりを持っていることが伝わってきました。私たちが漠然と考えていた住まいへの要望に対してすべて迎合するのではなく、場合によっては反対の事を勧めてくる。その理由も長年数多くの実績をこなしてきた住宅のプロとして、素人に分かりやすく、自信を持って話してくれる姿に信頼できる会社なのだろうと感じました。
ご主人様
まさに一期一会、この機会を逃すと再び自分好みの建築会社に巡り会えないだろう、いまこそが建てどき、そう直感して具体的に計画を進めることにしました。また住宅ローンの相談に銀行へ出掛けたことも今回の建築を決意するきっかけになりました。自営業で融資を受けるには、自分の年齢的にも決断すべき時期に思えたからです。
5月の末に展示場で初回面談した後、契約まで2カ月足らず、菊池建設1社のみと打ち合わせを進め、他社で検討することはありませんでした。設計者も参加してプランの打合せが始まりましたが、初回面談時の営業担当者に感じたものと同じように、設計者も私たちの要望を無条件で受け入れるのではなく、適切に助言をしながら最善策を提案してくれました。
奥様
例えば、将来2人目の子供をもうけることを想定して、2階に子供部屋を2つ用意するつもりでいました。 ところが今は個室にすべきではないと諭されてしまいました。当面間仕切り壁も建具も設けず広いひとつの部屋にしておき、成長に合わせて必要ならば収納や出入り口戸を適宜設ける方が良いというのです。その提案を受けて、多目的ホールのようなフロアになりました。また主人が経営する会社の事務所とくっつけて建てることも要望してみましたが、切り離して純粋に住まいを計画した方がいいと意見されました。
さまざまな要望を出しましたが受け入れて貰えないものも多く、また代替の提案をいろいろと受けました。そして、その理由を聞くと、理に適った納得できるものばかりでした。「家は3回建てないと満足のいくものはできない」と聞いたことがあります。我が家はいろんな要望を出しては検討する作業を十分に行った結果、1度で納得のいく住まいを建てることができたように思います。
ご主人様
土台・柱に国産檜を標準で使うことに加え、梁・桁まで国産材を使うキャンペーンも適用して貰い、吹き抜けに現わした梁は国産松を使って貰うことになりました。吹き抜けは風通しの良い、明るい住まいになるよう希望していたもの。住まいの中心になる場所に見せ場ができて建物の完成に期待が高まりました。 こうして納得のいく基本プランが出来上がり7月末には契約を締結しました。
02
つくり手の思いが伝わる住まいづくり
ご自身で屋根瓦工事をされたそうですね?
ご主人様
私の両親が三州瓦で知られる愛知県高浜市の出身で、製瓦業に従事していたこともあって、瓦の販売・施工業を営んでいます。屋根葺き材は種類も多くなり、様々なデザインの瓦が使われるようになりましたが、やはり伝統的な三州和瓦には人一倍思い入れがあります。 今回、自宅の屋根工事を自分自身で施工させて貰いました。道行く人にも自宅を見て和瓦の良さを実感して貰えればとの思いを込めて、妥協することなく渾身の仕上がりを目指しました。
菊池建設さんから「洲浜屋根(すはまやね)」という新しいいぶし和瓦を使いたいとの提案があり、私も注目していたものですから採用することにしました。軒先のリズミカルな波型に特徴がある瓦ですが、けらば側の瓦に「中付き袖瓦」を使うことにしました。この瓦を使うと板状の平瓦を重ねたように見えて、リズミカルな波型の軒瓦と組み合わせが良いと考えたからです。 軒先の両端部分は軒瓦の正面部分と袖瓦の側面部分を組み合わせた角瓦と呼ばれる特殊な瓦になりますが、実は波型の洲浜軒瓦と中付き袖瓦を組み合わせた角瓦は市販されていません。今回、産地のメーカーにお願いして特別に製造して貰いました。現在のところ、我が家だけの特別仕様の瓦屋根です。
2階出格子の霧除け庇には、社寺建築などに用いられる伝統的な本瓦葺きで施工しました。少し重厚すぎるのではと言われる事もありますが、木製の出格子と軒先の巴瓦の組み合わせは、どこか懐かしさを覚える風景のようで、目を引くと思いませんか。
奥様
建築工事中はすぐ隣の事務所にいましたから、毎日現場の様子を見ることができました。大工棟梁も手間暇かけて材料の持ち味を生かした施工をしていることが良く分かり、大変満足しています。 住む人のためにより良い住まいとなるようにと、棟梁から長年の経験をもとに提案を受けて、工事監督さんと相談しながら細かな変更をすることもありました。和室の天井が一部勾配になっていますが、その勾配が始まる見切り部分に垂木用の細い磨き丸太を使うことを提案してくれたのも棟梁でした。
ご主人様
愛着を持って末永く暮らしていける住まいになるかどうかは、建築段階から始まっています。つくり手が材料を慈しみながら気持ちを込めて仕事をすると仕上がりに現れてきます。さらに、職人さんたちが心を込めてつくっている姿を直接見て知っていると、引き渡された住まいと一緒に、つくり手の思いも受け取った気持ちがして、大切に使っていこうという思いが一層強くなります。 いつもは屋根工事を行うつくり手側にいますが、今回、施主の立場から我が家がつくられていく様子を見ていて、そのことを痛感しました。その体験ができた意味でも、自宅を菊池建設さんにお願いできてよかったですね。
03
家族と一緒に成長していく住まい
実際に生活してみて、住み心地はいかがですか?
奥様
重厚さも感じる和の趣が強い外観に較べて、室内は現代的でカジュアルにさえ感じる仕上がりなので、我が家に初めて訪れた方は皆さん、その意外性に驚かれていますね。 評判が良いのは玄関土間つながりのシューズクローク室。お義母さんは遊びに来るたびに、この土間がいいわ、と羨ましそうに褒めてくれます。そして明るく風通しの良い吹き抜けのリビングなど使いやすく設計された住まいに、若い人の家だねと言いつつも気に入っているようです。
ご主人様
娘がまだ幼いため、親子3人揃って1階の和室で寝起きしているので今のところ、1階だけで普段の生活は事足りています。夜リビングに居ても子供の声が聞こえれば、すぐに様子を見に行けます。1階南面には3つの掃き出し窓がありますが、床とほぼ同じ高さの濡れ縁をつくって貰いました。 部屋から子供が転落する心配は少なくなりましたね。室内も建具部分の床段差はすべて解消してあるので、つまずくこともなく安心して子供を遊ばせておくことができます。 2階の寝室にはベッドがありますが全く使っていません。現在はお飾りのようなものです。子供が大きくなって個室を必要とする時期が来るまでは、2階は多目的な2つ目のリビングとして使うことになりそうです。これから家族が増え、子供たちが成長するに合わせて少しずつ住まいの使い方が変わっていくのでしょうが、その変化も将来の楽しみの一つですね。
スタッフ
代々、日本の瓦に精通してこられた方に当社の家づくりを認めて頂けたことは、大変光栄なことです。日本の家の素晴らしさを、住まい手としても、これからじっくり楽しんで頂きたいと思います。本日はありがとうございました。